洗顔料を使うと皮脂が余計に出る、という話があります。
かなり洗いすぎた場合だと思うのですが、実際どうなのか実験してみました。
■ 朝に洗顔料を使う日、使わない日の2つで比較
■ 朝に洗顔→お昼過ぎ(14時から16時くらい)に油取りフィルムで皮脂量を計測
■ 洗顔料を使う日はやや突っ張りを感じるくらいガッツリと洗う
実験結果(1回目)
4月でまだ少し肌寒い時期に行いました。皮脂量はほどほどです。
画像下の数字は当日の(最低気温/最高気温)です。1日目と2日目で気温がまあまあ違いますが室内温度は変わらずです。
なので皮脂分泌量の差異はないと思われます。
頬
洗顔料で洗ったほうが皮脂量が少ないように見えます。まあ気のせい程度。
おでこ
やはりおでこは油田。やっぱりこっちも洗顔料を使ったほうが皮脂量が少ない。
実験結果(2回目)
頬
今回は洗顔料ありと差がないように見えます。しかし、洗顔料ありの日は水洗顔の時より最高気温差が10℃も高い。
気温が高いほど皮脂は多く出ます。それでいて差がない。ということは洗顔料ありのほうが昼間の皮脂量は少ないということに。
おでこ
やはり気温がガン!と上がった洗顔料ありの日のほうが皮脂量が少ない。おでこは特に気温に反応して皮脂量が増えるので、この日が水洗顔ならおそらく皮脂量はもっと出たはず。
実験結果(3回目)
頬
両日とも最高気温が25℃ほど。なかなか温かい日。皮脂日和。
それでもやはり洗顔料を使った日のほうが日中の皮脂量は多い。
おでこ
暑いと少し感じる気温。おでこの皮脂が激増。
たぶん気温に反応して増えているから洗顔料うんぬん関係なかったみたい。
結果考察
1日、数日単位では朝の洗顔料仕様で皮脂は増えなかった
朝に洗顔料で皮脂を取りすぎると日中の皮脂が増える、ということはありませんでした。
かなり洗いすぎるレベルで洗顔していても。
しかし、あくまで1~3日での結果です。
朝に洗顔料を使ったほうが日中の皮脂は少なかった
結果を見て分かるように、水洗顔だけの日より洗顔料を使った日のほうが皮脂量が少ないです。
これは単純に、朝に残っていた皮脂の分が差になっていると予想されます。
勘違いで皮脂量が増えたと感じただけかもしれない
当たり前ですが、朝に洗顔料を使ったほうが顔はさっぱりします。
そして日中になると皮脂が増えて顔に溜まってくるのですが、さっぱりした状態から皮脂が溜まるのと、ある程度皮脂が既にあった状態から溜まるのでは実感に差が出ます。
0から100と30から100では、当然前者の方が変化量が大きい。つまり洗顔料を使った洗顔のほうが、皮脂が朝より増えたという錯覚を感じている人がいるのかもしれません。
これが、朝に洗顔料を使うと皮脂が増えるという話なのかも。
数ヶ月レベルでは皮脂が増える可能性が考えられる
今回は数日での実験でした。
では数ヶ月以上など長期に渡り実験をしたらどうなるか?というと、その場合は皮脂が増える可能性が考えられます。
というのは、人の体は恒常性(ホメオスタシス)という、常に一定のいい感じの状態に保とうとする機能があります。
皮脂があまりに不足し続けた場合、この機能によって皮脂が今までより多く分泌される可能性があります。
発汗による体温調節がいい例。暑いと汗をかいて体温を一定範囲に収めようとする。
特に皮膚は人間の一番外にある器官であり、かつ皮脂は汗と同じようにその場で増やせる分泌物。
数日皮脂が少なすぎるだけでは皮膚に体温上昇ほどの明確な環境変化は出ません。
でもあまりに長期間皮脂不足が続いた場合、皮脂がないことで肌表面の菌バランスが崩れてしまうかも。すると肌は皮脂を多く出して肌環境を維持しようとするかもしれません。
洗顔料の過剰使用でセラミドが不足してしまった場合も同じ。セラミド不足は肌の防御力を弱めるため肌荒れや乾燥が起きやすくなります。
いわば裸になっている肌を守るために、オイルである皮脂を分泌してコーティング。外部刺激から肌を守ろうとするかもしれません。
朝洗顔料で日中に刺激→継続で皮脂増加の恐れ?
普段オイリーな男の私ですら、朝にガッツリと洗顔料で脱脂すると日中にピリピリした刺激を感じました。
頬とおでこに。
かなり弱い違和感みたいなピリピリ感ですが、やはり洗顔をし過ぎると肌状態は一時的に悪化しているようです。
おそらく角層内のセラミドが減って刺激が通りやすくなっているのでしょう。
洗顔料の量が多い、洗顔料を使った洗顔時間が長い、さらに擦る力が強いといったことが重なると確実に肌は劣化し弱くなります。つまり刺激を感じやすくなる。
間違った洗顔料を使った洗顔を継続すると、それをカバーするために皮脂が多く出てくる可能性は十分に考えられます。
朝に洗顔料を使うべきかどうか?
じゃあ結局、朝に洗顔料を使ったほうがいいのか?使わないほうがいいのか?この結論はあるのでしょうか?
大前提で人の皮脂量次第
極端な例を言うと、
- 顔にサラダ油を塗りたくった人
- よーじやのあぶらとり紙を使っても色が一切変色しない皮脂ゼロの人
がいた場合、朝だろうが夜だろうが、前者は洗顔料を使ったほうがいいですし、後者は使わないほうがいいです。
洗顔料というのは主に皮脂とそれに混じった汚れを落とすために界面活性剤が入っています。
水と油をくっつけるのが界面活性剤の効果。
皮脂はオイルなので水と混ざりません。なので水洗顔だと皮脂はあまり落ちません(多少は落ちますよ)。
そこで界面活性剤。これが皮脂とくっつき、さらに水ともくっつくので肌から剥がして落とすことができます。
これが洗顔料の効果。
だから朝の皮脂汚れ量次第です。
朝に洗顔料使ったほうがいいかどうかは。
本当に人次第。
朝の皮脂もしっかり落とさないと肌に悪いという説もある
NHKのトリセツショーで「洗顔」が特集されたことがあります。
ここでは朝は洗顔料を使うべきという結論でした。
水洗顔では皮脂が残留して、それが酸化して肌細胞にダメージを与える。その結果、肌荒れや肌老化を招くと。
皮脂の酸化刺激は前から言われていることで、確かにないほうがいいのは確か。
その酸化した皮脂だけを取れればベストなのは確か。問題は肌の保湿成分やまだ剥がすべきでない角質を剥がしてしまわないかどうか?ここが肝心。
トリセツでは濃密な泡だて洗顔を条件としていたので、その泡を顔に乗せてすぐ流すくらいなら乾燥リスクは避けられそうに感じました。
朝の皮脂を取り除いても昼から夜はどうするんだ?という疑問
朝起きた時の皮脂は取り除けるなら言うことはない。
しかし昼には皮脂が復活していて酸化も始まりますよね……
じゃあ昼から夜の間にまた洗顔しないと肌ダメージが出ちゃうのではないかと。
そう考えると朝の皮脂除去にあまりこだわりすぎるのもどうかな?と感じますね。