「水・ぬるま湯・洗顔料」洗顔方法別の皮脂汚れの落ち方実験~本当に洗顔料を使わないとダメなのか?

洗顔は水で十分。

いや、洗顔料を使わないと酸化した皮脂が残り肌老化を引き起こす!

常に食い違う立場。

どっちが正しいのか?

個人的には皮脂の粘っこさというか汚れ具合、あと肌のバリア機能状態次第で洗顔料を使うかどうか、というか使うにしても量と時間を調整すりゃいいという立場。

実際に水だけで顔を洗うとどうなるのか?

マイクロスコープとあぶらとり紙で皮脂の残留具合を見てみました。

本当に洗顔料じゃないと皮脂は落ちないのか?疑問に思う結果になった

結果から言うと水だけでも皮脂は結構落ちました。

思っていたより。

また意外なほどぬるま湯でも落ちました。洗顔料とほぼ変わらないくらいです。これは驚き。

実験内容は以下の通り。

水・ぬるま湯を使った洗顔方法

■ 10月の寒すぎない季節の水道水

■ 10回すすぐ(顔をなるべくこすらないように)

■ タオルで軽く押し当てて水気を取る

洗顔料を使った洗顔方法

■ クレイタイプの洗顔料を説明書通りの分量(さくらんぼ大)使用

■ 泡立てないタイプなので10秒かけてなじませる

■ 水で10回すすぐ(十分すすげたこと確認)

■ タオルで軽く押し当てて水気を取る

こんな感じ。

さらに付け加えると、

アラフォー男性でオイリー傾向な肌質です。ひどいときは自分の皮脂で顔に不快感を覚えるほどなので、女性目線で言うとかなりのオイリー肌を使った実験だと思ってください。

左頬(セラミド保湿継続中)

普段からセラミドケアをしている左頬です。

洗顔前 左頬200倍

普段の皮脂状態。

こうやって見ると分かりますが、皮脂は毛穴から出てきてまずそこに溜まる。次にキメの溝に広がっています。

後に分かったのですが、このキメが洗顔しすぎてしまうかどうかに関係があるのです。

水洗顔後 左頬 200倍

水でも皮脂の大半は落ちています。

ただ次のぬるま湯、洗顔料の場合と比べると白く光っているのが分かります。

つまり皮脂が多少残っていると思われます。

ぬるま湯洗顔後 左頬 200倍

ほぼ皮脂が残っていない状態。結構ちゃんと洗えています。

洗顔料を使った洗顔後 左頬200倍

洗顔料を使用してもぬるま湯のときと大差はありませんね。

今回のようなソフトな洗い方ならそうそう悪影響は起きないのでは?

右頬(ノンケア)

こっちはノンケア。左よりキメが浅い、粗い状態です。

水洗顔前 右頬200倍

左頬と比べると全体的に光っているのが分かります。

左頬は毛穴とキメに皮脂が溜まって局所的に白く光っていますが、右頬はキメが粗いので皮脂が分散して全体的に白く光っています。

水洗顔後 右頬 200倍

右はキメが浅いせいでしょうか、皮脂がより取れている印象です。おそらくキメが深いと皮脂が残りやすいんだと思います。

この点を考えると、キメが粗いと洗顔の脱脂が過剰に働きやすく、よりセラミドやNMFなど肌の保湿成分が流出するのではないでしょうか?

ぬるま湯洗顔後 右頬 200倍

やはりキメが細かい左より脱脂具合が強め。

洗顔料洗顔後 右頬 200倍

ぬるま湯では超微妙に白く光っていた部分が消えているので、ほぼ完全に皮脂が取れたようです。

ただぬるま湯で十分すぎるほど脱脂できている感。

やはりキメが浅くてのっぺりしていると、皮脂が残りづらく取れやすいのかも。

本当に皮脂が水でも取れているのか?脂取りフィルムで再度確認

水洗顔後の皮脂残りを脂取りフィルムで比較してみました。

普段の皮脂量 頬
水洗顔後 頬

皮脂が取れていますが程よく残っているのが分かります。

ここでポイント!

右のほうがが皮脂残留が少ないです。

右はキメが粗い。

このことが洗顔料で肌が乾燥してしまう理由に結びつきます。

ぬるま湯洗顔後 頬

水より皮脂が落ちています。

やはり右のほうが残留皮脂が多い。

洗顔料を使った洗顔後 頬

マイクロスコープではぬるま湯洗顔との差があまり分かりませんでしたが、脂取りフィルムだと差が顕著になりました。

ほぼ皮脂が残っていません。

洗顔料をほぼ馴染ませただけですが、やはり脱脂力はかなりありますね。

ただそれでも、若干右のほうが色が薄く感じるので皮脂が左より取れています。

おでこ

普段の皮脂量 おでこ
水洗顔後 おでこ

おでこはかなりオイリーです。さすがにかなり皮脂が残っています。皮脂量があまりに多いと水洗顔では残りすぎることが分かりました。

ぬるま湯洗顔後 おでこ


洗顔料を使った洗顔後 おでこ

実験結果で判明したことまとめ

水洗顔でもかなり皮脂は落ちる

水洗顔でも皮脂はかなり落とせることが分かりました。

水で皮脂が洗い流されるというより、タオルに水と一緒に吸い取られやすくなる、というほうが正しいかも。

ぬるま湯洗顔は洗顔料にかなり近い効果がある

ぬるま湯洗顔にしただけで脱脂力が大幅に上がりました。

食器の洗い物でもお湯のほうが油汚れが落ちやすいですよね。

お湯のほうが脂を柔らかくするためですが、ぬるま湯でもハッキリと脱脂力は向上するようです。

洗顔料は馴染ませるだけで効果を発揮する

今回はクレイタイプの馴染ませる洗顔料を実験に使いました。

結果として一切こすらず本当に肌に伸ばしてすすいだだけです。

それでも皮脂はほぼ完全に除去できました。

時間はかけなくていいことがハッキリと分かりましたね。

水洗顔はダメ?肌の油分次第じゃない?

水洗顔は皮脂が肌に残るからダメ!(酸化皮脂で肌にダメージ)という美容意見があります。

一方で水洗顔で十分!洗顔料は洗いすぎるから肌を乾燥させる!という意見とぶつかります。

正解は皮脂と化粧品等の油分次第です。

実験では皮脂が若干残りましたが十分スッキリしています。男の皮脂でこれです。

これより皮脂が多い状態や、化粧品クリーム等の油分が肌に残っている場合は水洗顔だと落としきれないでしょう。その場合は洗顔料を使ったほうが肌にいいと思います。

一方、皮脂も油分もほとんど残っていない肌の場合は別。

それなら洗顔料を使う意味がないからです。

洗顔料は肌が乾燥する?も状況次第

ぬるま湯洗顔と洗顔料との皮脂残留量は思っていたより差がありませんでした。

ということは、

「皮脂量が実験状態よりさらに少ない場合、洗顔料の脱脂力はどこにいくのか?」

という点に注目。

洗顔料には界面活性剤が含まれています。界面活性剤が水と油分を結合させて肌から離れやすくします。

肌に皮脂が油分があまりない状態の場合、必要以上の界面活性剤が肌に乗っかることになります。

肌が乾燥する主な理由は角層内のセラミド減少。

セラミドは脂質です。だから界面活性剤によって減少します。

  1. 皮脂が少ない
  2. 洗顔料が過剰
  3. 皮脂以外の脂に影響が出る
  4. セラミドが減る
  5. 乾燥する

こういうことになる。

なので、洗顔料をいくら使っても平気!調子がいい!という人もいれば、皮脂や汚れが少ない人が洗顔料を使うと乾燥してしまうこともあるということ。

つまりその人次第ということです。

朝も洗顔料が必要?も人それぞれ

2022年放送のNHKトリセツでは、朝も洗顔料を使うことで肌荒れが治ったという内容が放送されていました。

「洗顔」のトリセツ

朝の皮脂をしっかり取らないと日中に酸化して肌荒れ、肌老化を引き起こすからダメだと。

ただ、番組に出てきていた実験対象者は10代女性、30代以上?の男性ばかりだったので皮脂が多い人ばかりのような……

そんな人は朝の洗顔料でも問題ないかも。

やっぱりその人次第なところはあると思います。朝も洗顔料を使わなきゃ!と誰しもが信じていい話ではないんじゃないかな?とは思います。

第一、同番組ではぬるま湯よりさらに温度が低い「ぬるま水」ですすがないと、必要な皮脂まで洗い流してしまうってなっていますが……

洗顔料で既に皮脂取れているんじゃないんですかね?細かいところは不明です。

まあ人それぞれ。洗顔料の必要性はその人の汚れ具合次第というのは間違いないと思います。