洗顔料の肌への付着時間による悪影響差を検証

洗顔のし過ぎは乾燥肌になる、というのは次第に知られてきました。ただ洗顔の何が乾燥を招くのか?考えられるNo.1は洗顔料です。では洗顔料の付着時間が問題なのではないか?と考えたので実験してみました。

実験内容

洗顔料を使った洗顔はやりすぎると乾燥する。でもやり過ぎってどれくらい?というの明らかにしてみたい

  1. エタノールで顔の肌を脱脂
  2. セロハンテープで角質剥離をしてマイクロスコープで撮影(通常の角質状態)
  3. 洗顔料を10秒馴染ませ洗い流す(合計1分に満たない洗顔)
  4. 再びセロハンテープで角質剥離をしてマイクロスコープで撮影
  5. 後日、洗顔料を10秒馴染ませ1分放置してから洗い流す
  6. セロハンテープで角質剥離をしてマイクロスコープで撮影

実験結果(左頬・セラミド保湿継続中)

普段から保湿ケアしている顔左は洗顔料の影響受けにくいはずだ

200倍拡大

普段の角質状態
実験前 左頬 200倍拡大
10秒のみ
10秒洗顔後 左頬 200倍拡大

10秒間洗顔料を優しく馴染ませただけですが角質の剥がれ方が激しくなっています。

10秒+1分そのまま
10秒+1分放置後 左頬 200倍拡大

さらに広い範囲で、かつ白さが濃くなっているので分厚く剥がれているのが分かります。

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普段の角質状態
実験前 左頬 50倍拡大
10秒のみ
10秒洗顔後 左頬 50倍拡大

剥がれる面積が増えているのが分かります。

10秒+1分そのまま
10秒+1分放置後 左頬 50倍拡大

さらに真っ白に。広く分厚く剥けていますね。

結果(右頬・保湿ケア継続中)

10秒間付着でも界面活性剤の角質影響が確認されました。

1分放置でさらに剥がれ方が強くなりました。

ただ剥がれ方は均一でバリア機能が壊されている気配は見られませんでした。

実験結果(右頬・ノンケア)

普段から洗顔後に何も塗っていない顔右側。予想では左より激しく剥がれると見た

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普段の角質状態
実験前 右頬 200倍拡大

ノンケアなので左に比べて角質が荒れています。

10秒のみ
10秒洗顔後 右頬 200倍

元々荒れているせいか、10秒洗顔だと特に剥がれやすくなった感じは出ませんでした。

10秒+1分そのまま
10秒+1分放置後 右頬 200倍拡大

1分放置するとごソット全範囲に分厚く剥がれました。ほぼ剥がれていないところがないほど。

50倍拡大

普段の角質状態
実験前 右頬 50倍拡大
10秒のみ
10秒洗顔後 右頬 50倍拡大
10秒+1分そのまま
10秒+1分放置後 右頬 50倍拡大

かなり分厚く剥けているのが分かります。

結果(右頬・ノンケア)

意外と10秒放置では剥がれ方に大きな差は出ませんでした。

1分放置でめちゃくちゃ剥がれるようになりました。左に比べて強く界面活性剤の影響を受けているのが分かります。

結果検証

洗顔料は超短時間でも角質を剥がしやすくすることが分かった。バリア機能によっては洗顔料が乾燥肌、肌荒れを悪化させているかもしれない

洗顔料は短時間でも角質オフ効果が高まる

洗顔は汚れを落とす以外に、不要となった古い角質を落とす役割もあります。

当然洗顔料を使ったほうがこの効果は高まるのですが、たった10秒の付着でも明確に角質が剥がれやすくなっていました。

洗顔開始1分でもかなり角質は剥がれやすくなる

洗顔時間は丁寧にやると1分以上かかりますが、その1分で角質はかなり剥がれやすくなることが分かりました。

つまり洗顔料を用いた丁寧な洗顔はそれだけ肌を薄くする、過剰に角質を剥がしてしまう恐れがあるということです。

バリア機能次第で洗顔料の角質オフ効果は大きく差が出る

顔左は普段からセラミド保湿ケア継続。顔右はノンケアです。左のほうがセラミド量が多くキメが揃っているため、バリア機能、つまり外部からの刺激に強い肌となっています。

実験結果では明らかに右のほうが角質の剥がれ方が酷くなっています。

つまりバリア機能が低いと洗顔料の角質オフ効果を強く受けるということです。

洗顔料を使った洗顔方法の見直しを考えている人へのアドバイス

洗顔料は肌に付いた時点で「良い影響」も「悪い影響」も始まっている

洗顔料に含まれる界面活性剤は汚れを落とすのに必須ですが、同時に角質の繋がりを緩める効果もあります

これは古い角質を落としやすくする「良い影響」でもありますが、時間をかけてしまうと剥がしすぎてバリア機能を損なう「悪い影響」にも変化します。

この角質への影響は洗顔料が肌に付着した時点からカウントが始まっています

洗顔料を使った洗顔はあまりのんびりやるものではないと言えます。

洗顔料はピーリング効果があると考えた方がいい

角質オフはピーリングで行うというイメージがありますが、洗顔料もピーリング効果があると考えたほうがいいです。

ピーリング効果があると思っていないと過剰に時間をかけて洗ってしまいませんか?

角質を剥がしすぎるのが毎日続くとバリア機能が低下。刺激に弱くなって老化リスクが高まるだけでなく明確に乾燥します。

洗顔料は肌にいい!肌を綺麗にするマストアイテム!!なんて感じで洗顔料が紹介されがちですが、実際はピーリングなんだと思えば時短で洗顔したくなるでしょう

時短で洗顔しても汚れはちゃんと落ちています

汚れが残っていると肌老化を引き起こす!しっかり汚れを取り切ること!!という意見もありますが、皮脂汚れに関しては水やぬるま湯洗顔でもかなり落ちます

▼この実験で分かります

見に見えて汚れていたら別ですが、サッと洗顔するだけでもかなり汚れは落ちています。

コットンで拭き取って「ほら!茶色い汚れが!!」と言いますがたぶんあれ角質ですよね。それに、その汚れが肌に悪影響なら、少なくとも汚れだした昼間から晩までその汚れが10時間以上顔に付いていたわけです。

そんな微量な汚れで肌が老化するなら日中でもっと激しく老化してますし、なんなら昼間に洗顔しないと話が合いませんよね。

見えない汚れと格闘して洗顔時間を伸ばしていると、次第にバリア機能が落ちて乾燥が悪化します。キメも荒れるので透明感は出ません。求める美肌からは確実に遠くなります。

バリア機能が弱い(乾燥・肌荒れ中)の人ほど洗顔料の洗顔は時短必須

実験で明らかなように、バリア機能が低い右側は洗顔料の角質オフ効果が強く出ました。

バリア機能が弱い肌は程度によりますが、弱くなりすぎると乾燥、肌荒れが起きやすくなります。

バリア機能が弱い人が強い人と同じ洗顔方法で洗ってはいけません。なぜなら洗顔料の角質オフ効果が強く出てしまうから。

バリア機能が高い人は余計な角質が剥がれるだけで済むので現状維持。バリア機能が低い人は角質が毎日薄くなっていきます。同じ洗顔方法ではマズいのです。

特に時間です。

実験で明らかなように、10秒付着でも角質オフ効果は高まっています。それが1分になると剥がれ方が飛躍的に強くなっています。

乾燥、肌荒れで悩んでいるなら洗顔料を使った洗顔は時短を心がけること、もしくは洗顔料の使用量を減らすなどの工夫も必要です。